今日、札幌市内の出先でのこと。
約束があって札幌の西区に行ってきた。三角山の上空でヘリコプターが3機飛んでいるのを見かけたけれども、それはその山でヒグマが人を襲う事件が起きたから。ちなみに、三角山は私が琴似中学の1年生の時以来、何度も登っている山である。
さて、西区のコンビニの駐車場でハリアーを停める。停めるとすぐに、フロントパネルに、
「キー(スマートキー)を認識できません」
というような(正確には覚えていない)表示が出た。
先週、道北旅行(北見・常呂・稚内・豊富温泉)をしていたときに、「一度だけ」、センターパネルに、
「スマートキーの電池量が少なくなっています。交換してください」
というような(正確には覚えていない)表示が出た、ことをすぐに思い出した。
さてさて、キーを認識できないハリアーは、もちろん、エンジンを始動することもできない。
この時点でも、私はあまりあわててはいなかった。
以前乗っていた日産のティアナでも、スマートキーの電池が切れたことがあった。水銀電池はコンビニでも売っているはずである。実際、ティアナの場合はコンビニに売っていた。当然、ハリアーの電池も売っているだろうと思って、目の前のセイコーマートに入って探した。
しかし残念ながら、CR2450というものは売っていなかった。
この時点でも、私は焦ってはいなかった。スマートキーの中にはスチール製の簡単な鍵が入っている。電池がなくなっていても、これで車のドアも解錠できるし、ハンドル横にある小さな差し込み口にそのスチール製の鍵を入れて回せばエンジンもかかる。少なくともティアナはそうだった。
しかし‥‥。
ハリアーのハンドル近くには、幾ら探してみても「差し込み口」らしきものはない。
不安になってきた。
説明書を助手席の前にある収納ボックスから取り出して、関連したところをようやく見つけて読んでみる。しかしそこには、水銀電池の交換方法が長々しく記載されているだけで、水銀電池が手に入らない場合にどうやってエンジンを動かすかは記載されてはいなかった。
原始的な方法を採用した。
スマートキーから水銀電池を取り外し、掌で温めた、1分くらい。
しかし、この原始的方法をバカにしてはならない。実際、温めた水銀電池を戻してみると、なんと、ハリアーはキーを認識してエンジンをかけることができたからである。
動き出したハリアーで、ホームセンター(Homac)に入る。この店ならCR2450は手に入るだろうとすっかり安心した。もちろん、駐車場でエンジンを止めて、鼻歌で店に入る。
ところが‥‥。
CRシリーズの電池だけでも、10種類以上あったのだけれども、何度目を凝らして見ても、2450は、無い。
つまり、それほど珍しい電池であるということ。
ハリアーの説明書には、電池は、「トヨタ販売店かカメラ店で」手に入れるように書いてあった。iPhoneでグーグルマップを呼び出し、トヨタ、と入れると、近くに琴似のトヨペット店が表示されたので、ホッとする。Homacの駐車場に戻り、水銀電池を再び掌で温めてエンジンを始動して、トヨペット店まで車を走らせる。
5時少し前に店に入る。
受付の女性(4人以上いた)に、スマートキーの電池が切れたので売って欲しいと告げると、有無を言わさずキーを寄越せと言われる。電池だけ売ることはしないとのこと。
キーを渡すと、「こちらで交換しますからお待ちください」と言われる。
仕方なく、広い店内を歩く。電池の交換など2、3分、遅くとも5分もあれば済むだろうと思った。
しばらくしてから、女性の一人がやってきて、車のナンバーを訊いてきた。私はナンバーを教え、店の前のあそこに停まっているハリアーですと教えた。すると女性は外に出て、車に近づき、ドアを開けて中を覗いていた。水銀電池が作動しないのでロックもかからない。中に貴重品を置いているわけではないのでロックしていなくてもいいのだけれども、断りもなく車の中を調べるとは、呆れた。
それで済めば、何事もなかった。
次に別の女性がやってきて、「お名前を伺いたい」という。電池交換で、名前を言わなければならないらしい。わたしは、「マツウラアツシ」と答え、女性はそれをメモに書いて受付に戻っていった。女性たちは、しきりとコンピューターを操作してあれこれ話していた。顧客名簿はネットワークで繋がっていてどこからでも閲覧できるのだろう、何かをずっと調べていた。
で、10分、15分、と時間が流れたのである。
私は人との約束の時間に既に遅れていた。電池交換など直ぐに終わるだろうと思って、トヨペットの店員たちを急かすこともしていなかった。ヴォクシーやライズやGRなんとかという車を仕方なく時間潰しで見ていたが、一向に電池交換が済んだという連絡は来ない。
で、受付に行って、どうしてこんなに時間がかかるのか訊いた。
するとトヨペット札幌琴似店の女性は平然として答えた。
「短時間で電池が消耗した原因を調べているんです」
????
そんなこと、私と何の関係があるというのだろう? しかも、そんなことをしていて私を待たせているということは、何も説明してくれてはいないのである。とっくの昔に電池の交換は終えていたようだった。
もういいから早くキーを返してくれ、と私が言っても、まだぐずぐず言ってキーを返そうとしない。
呆れた。
これがトヨペット店というところか。
結局、キーを返せと何度も繰り返してやっとキーを取り戻し、店を出た。20分以上も、この不愉快な店のために時間をロスして。
1 スマートキーの電池の残りが少なくなっている、電池を交換するように、という警告はたった一度しか出てこない。
2 その電池は珍しいもので普通のコンビニやホームセンターには売ってはいない。
3 トヨタのサイトを見ると、水銀電池の寿命は1年から1年半と出ているので、琴似のトヨペット店が、「短時間で電池がなくなった原因を調べている」という弁明は真っ赤なウソだろう。私は1年5ヶ月ほど車を使っている、電池が切れても不思議ではない。
4 客に説明もなく長時間待たせて、しかも理由の説明もなくキーを返却しようとしない店の態度には呆れるのみ。いったい何を「調べて」私にキーを戻そうとしなかったのかは不明である。
ということで、トヨタのユーザーは、CR2450という電池を買っておいて、車のサイドボックスにでも入れておいたほうがいい。私も早速、ケーズデンキに行って(あるだろうか?)買って入れておくことにする。
ちなみに、グーグル検索すると、「トヨタ自動車のサイトではなく」、別の、トヨタの地方営業店のサイト(複数)に、水銀電池が切れた場合のエンジンの始動の方法が記載されている。
まるで、セーラームーンの魔法の儀式のようなやり方で笑ってしまうものだが、本当なのだろう。トヨタのマークをスタータースイッチに近づけなくてはならないらしい。こんな方法、解説書には載っていないと思うのだが、どうだろう? 少なくとも水銀電池が切れて困ったユーザーが読むページにはこんな方法は一切書かれていなかった。
トヨペット琴似店といい、トヨタの車の解説書を書いた人たちといい、困ったものだと思い知らされた1日だった。