登別温泉には魅力はない。
ここの温泉で一番有名なところは「第一滝本館」だけれども、もう12年ほど前に家族で泊まり、極め付けの最低ホテルだと十分に経験できたので2度と行くつもりはない。登別万世閣には何度か泊まったけれども、ここは冬場に「お一人様客」を安く泊めてくれることがあるから選んだだけで、温泉そのものは凡庸である。「花鐘亭はなや」は、風呂が小さく、日帰り客も多くて落ち着かない上に、建物と部屋がマンションのようで(転用したのかもしれない)味気ないので、料理が多少良かったとしても2度とは行かない。その他のホテルもあれこれと欠点があり、今回は登別温泉ではなくてその更に山奥に入った「カルルス温泉」に初めて行くことにした。オロフレ荘、である。
北海道には(九州よりは断然少ないと思うけれども)、こんこんと湧く良質な温泉が幾つかある。たとえば、温根湯温泉、屈斜路湖温泉(川湯温泉・仁伏温泉)、川汲温泉(函館)などなど。しかし、このカルルス温泉は、それら良質な北海道の温泉のどれにも負けないほど素晴らしい、源泉掛け流しの、湯量が多くてどんどんお湯を排水溝に「捨てている」贅沢な温泉である。こんなにいい温泉があることを、北海道に生まれ育って63年にもなるというのに今まで知らなかったことが残念でならない。
ただ、ホテル・オロフレ荘の食事の方は、あまりにも凡庸であり、これも残念でならない。登別か室蘭で夕食を取って、宿泊はこの温泉、というほうが雪のない季節はいいと思う。温泉は5点。食事は2点である。毛ガニもイマイチだった。日帰り温泉客が多いのも頷ける。登別の近くを通ったなら、登別温泉なんかには目もくれず、このカルルス温泉に入ってみたほうが絶対にいいだろうし、私はこれからはそうしようと思っている。
翌日は小樽朝里の温泉に向かう。
登別まで下がり、高速に入って虻田町で降りて北上する、という選択肢もあったけれども、幸いなことに雪も風もない晴天の朝だったので、オロフレ峠を越えるルートを選択した。この日のオロフレ峠には、アマチュア写真家なのだろうけれども、望遠一眼レフを手にした男性たちを何人も見かけた。光に輝く樹氷と青空のコントラストが美しかった。
京極町ではグーグルマップで見つけたうどん屋に入った。名水うどん野々傘。http://www.kyougoku-nono3.com/
まったく期待外れで、うどんそれ自体が不合格。天婦羅もダメ。ということで二度と行きはしないが、ここがグーグルマップでは600人以上が評価して星が4.0というのだから、こうした評価はあまり信じないほうがいいということなのだろう。ここでうどんを食べるくらいなら、倶知安町まで足を伸ばして、ホテル第一会館の「豪雪うどん」を食べるほうがよほど良いと思った。